佐々木ゼミナール
佐々木ゼミナール


はじめに
大手・中堅の進学塾では基本となるテキスト・教材が与えられており、 授業に沿って理解を深め、疑問点に答、適切な問題演習に役立つものを、ピックアップしている。 塾とかに通わないで、テキスト・教材の類がない場合には、1 の予習シリーズか 5,6,7,8 のいずれかを基本となる教材とすることになる。 分量的には適当と思われる。今まで中学生向けの参考書が中学受験に断片的に使われてきたが、本稿では体系的かつ具体的に、 その中学生向けの参考書から学ぶべき分野・単元・項目を列挙した。 大手・中堅の塾でオリジナルのテキスト・教材があれば内容的には以下参考書の内容を質・量共に十分に上回っているので、 敢えて購入する必要はない。塾に通っていない、または塾にオリジナルのテキスト・教材が無い場合はどれか一冊買う必要がある。 書店で手にとり、使い易いと思ったもので当たりである。繰り返すが、内容に大差はない。 これ一冊では足りないので、他により詳しい参考書は必要であるし、質・量共にそろった問題集も必要となる。 いずれにせよ、中学受験に必要とされる一通りのことが載っている、ということである。

1. 四谷大塚・予習シリーズ(理科)四年(上・下),五年,(上・下),六年(上)
※六年(下)は前5冊のダイジェストなので不要!
 数年前の改訂でかなり詳しくなった。中学受験の全てに答えようとする斯界の超ベテランの意気込みが感じられる。 この五冊の内容を全て頭に入れないと中学受験は成功しないとは決して思わないこと。 現在の中学入試では、ここまで細かい知識を暗記する学力までを必要としない。 ただ、中学受験の参考書として使うならば、これに勝るものは類書に無い。一般の参考書はA5サイズで400〜500ページで一色刷りのものでしかない。 サピックス・日能研をはじめとした他の塾も理科の教材は貧弱の一語に尽きる。予習シリーズの良いところは、カラー写真がふんだんに使ってあり、 理科の学習・理解の手助けに大いになる(理科学習では、これは重要なポイント)ということ。 植物、動物の形などは、カラー写真を見ないとピンと来ない。化学変化の色の変化、色々な実験器具、変化の様子、 色々な実験などもカラーの図で分かりやすい。四谷大塚系列の塾でない生徒も参考書として使うならば、該当するページを読めば、 説明不足の教材で考え込まないで済み、容易に問題解決に役立つ。中学受験の理科の参考書としては、ベスト、と断定出来る。 小4で5冊まとめて購入し、3年間フル活用するようにしたい。誰でも自由に買える。
2. 朝日小学生新聞
 一面の左上の「ニュースあれこれ」が役立つ。社会・理科の時事問題対策にはもちろん、世の中の出来事、動き、等のニュースが 小学生に分かるように解説されている。(一般の新聞を小学生が読みこなすのは難しい、周りの大人が小学生に分かるように解説するのもなかなか大変です)。 世の中の出来事が、この部分を読むだけで分かるようになっています。 毎日、3テーマのニュースを読めば、現代社会の記述問題を出す学校を受験する場合、生徒の頭の中に有力なデータベースが構築されます。
3. 中学への算数(東京出版)
 月刊の中学受験のための雑誌です。中学受験に必要な一通りの単元を終えた新6年生が今後一年間で算数力アップができるよう編集されています。 まだ全範囲を履修していない4,5年生や基礎固めをする必要のある6年生には使いづらい内容です。 サピックスでも六年生のα上位クラスでの限定使用とされている(α1では、指定されたページを宿題にして確認の小テストを実施している)。 基本の問題をマスターするための用途には不向きで、ある程度算数の出来る生徒がもっと出来るようになるための構成になっている。 受験に徹するならば『日日の演習』を中心にすること。連載ものは、過去10年間に一度も出題されていないようなマニアックなものもある。 算数オリンピックで入賞する生徒には面白いかも。毎月、主要単元の特集で最新の年度の入試問題が紹介されている。 六年生になってから買い始めると、ある単元を学習したいと思っても待たないと手に入らないこともあるので、3,4年生から毎月買っておけば、 6年生になった時に、3〜4年分の最新の単元別問題集が手元にあることになる。 塾用教材・参考書は一旦出版されると10年間は改訂されないことが多いので、最新の出題傾向を知るには最適(他に類書はない)。
4. 算数の完成(数学研究社)
 オーソドックスな解法が中心。基本事項の解説の後ですぐに問題が並んでおり、例題解説が少ない。 問題の解説は、線分図・面積図がメイン。最終章が「xを使った式」となっており、40ページが、中学受験に必要とされるxを使う場面を網羅している。 このことからも分かるように、xやyを使った数学的な解法が押し出されている。(これは関西の塾の特徴)。 問題として載っているのは、全国の中学の入試問題だが、関西の問題がやや多い。
5. 特進クラスの算数(文英堂)
 灘の先生と希学園の先生の共著であり関西の受験生にはインパクトのある執筆陣。 基本事項の説明の後、例題解説が多い。xやyを使った数学的に解く解法が多い。 問題の解説は、線分図・面積図が多い。他書にはない、中高の数学の考え方を用いる解法が多い。 たとえば、場合の数については、CやPの文字は使ってないが、概念としては使っている。円順列も問題として載っている。 解説のページに素因数分解を使った約数の個数の求め方も載っている。やや、巻末の問題の解説がコンパクト。掲載されている問題は関西のものがやや多い。
6. 応用自在・算数(学研)
 基本事項は極めてコンパクトにまとめられており、例題の解説が二色刷りで分かりやすい。 上記二冊が体系書の形だが『応用自在』は分からない問題の解法を探しすのには便利。問題の解説も図を多用して分かりやすい。 食塩水の問題で天秤図を使うなど、分かりやすい解きやすい解法を心がけている。比較的、掲載されている問題は首都圏のものが多い。 首都圏で受験をするなら、これが馴染みやすい。前の版に比べ、難問が減っており、標準問題を中心にした解法を探すにはベスト。
7. 自由自在(受験研究社)
 500ページ余りA5サイズの一冊の本で、中学受験に必要とされる内容が入っており、例題で問題解法が示され、問題演習のページもある。多色刷りを多用している。
8. 力の5000題(数学研究社)
 500ページ余りA5サイズの一冊の本で、中学受験に必要とされる内容が入っており、例題で問題解法が示され、問題演習のページもある。
9. 新小学問題集(教育開発出版)小4・小5・小6
 理科の問題集としては、ダントツ。中学受験の理科の全範囲を漏れなくカバーしている。問題レベルも標準的な中学受験に必要なレベルとなっている。 改訂を重ねる度に内容が良くなっていく。単元ごとに入試問題を当てはめただけで全体を網羅しておらず問題レベルもバラツキのある問題集が多い中で、 非常によくできている。中学受験に精通した人の手によるもの、と断言できる。この3冊を仕上げれば、後は志望校の過去問をやれば中学受験の理科の問題演習は十分です。 各章の冒頭のまとめは、ありがちな箇条書きのまとめではなく、それだけでその単元の必要な知識体系が網羅できるようになっている。 まとめのページは受験の理科の基本となる知識として、6年の2学期からの暗記対象としてもいい。各塾での毎週の学習単元に合わせて問題を解いていけばいい。 サピックスは、これを分野毎に編集し直したものを4分冊にして生徒にやらせている。サピックスの強さの一端を垣間見る気がする。 しかし残念ながら、一般の書店とかでは購入できず、塾を経由しないと購入できない。
10. 四科のまとめ(四谷大塚)
 予習シリーズで述べたのと同じような問題点がある。しかし分量がありすぎる。この種のものは暗記という性格から、最低三回は繰り返さなければ。 昨年の6年生に新訂なったばかりの『四科のまとめ』を9月からやらせたが毎日1〜2時間かかった。 内容を大胆に精選してダイエット版(三分の一から半分にしたもの)を出してほしい。予習シリーズの算数で、練習問題をやらず、基本問題と計算一行問題集だけで、 中下位校を受験する生徒もいるのであるから是非ともダイジェスト版を望みたい。
11. メモリーチェック(日能研)
 コンパクトで、1単元見開き2ページで、左にまとめが載っており、右ページに左ページのまとめについての知識確認の問題を載せている。 1単元をやるのに必要な時間は、10〜15分で足りる。毎日、これに1時間とかかりっきりにならないで、ちょっとした時間にちょこちょこやれる。 手軽に何度も回せる利点もある。ただ、惜しむらくはメリットがデメリットにもなること、コンパクトであること。少なくとも、現行の2倍の分量がほしい。
12. 精解と資料(文英堂)
 1分野(物理分野・化学分野)と2分野(生物分野・地学分野)と分冊になっており、2冊になる。 化学反応式・オームの法則・ジュールの公式・イオン、等は読み飛ばすこと。 熱量計算、原子・分子の考え方、酸化・還元、位置エネルギー・運動エネルギーの考え方は上位校受験には、有益。 どうしてそうなるのか?の疑問を解消してくれ、中学内容の出題に、しっかりとした知識の基礎から考えていくことができるようになる。 以上は、1分野で、2分野では金星の満ち欠け・セキツイ動物の分類・天気とその変化(単元の全体)・火山・火成岩・地震(大森公式を出題する学校もある)の部分が特に有益。
13. チャート式理科(数研出版)
  「中1理科」「中2理科」「中3理科」の三分冊になっており、中学内容の理科の出題に対処する学習には、最適。しっかりとした内容なのに、言葉遣いが平易で小学生でも十分に読みこなせる。カラーもふんだんに使ってあり、理解を助けてくれる。必ず目を通すべきは、以下の項目。最近の『地震』の出題に対処するため、「中1理科」の第4編第3章地震と大地の動き。最近、「原子」「分子」の考え方を用いないと、容易に解けない出題に対処するため、「中2理科」の第2編化学変化と原子・分子。セキツイ動物の分類、の出題に対処するため、「中2理科」の第3編、第4章動物のなかま、P140〜P143。『天気とその変化』については、従来から高校入試問題と遜色ないレベルの出題が続いていたのに、中学受験用の参考書の内容は十分とは言えなかった。「中2理科」の第4編、天気とその変化、必読。力学的エネルギーについては、中学受験用の参考書には、基本の原理・原則から説明してくれるものが無かった。「中3理科」の第1編、運動とエネルギー、は必読。とりわけ、上位校を受験するなら、するなら、ここの単元は表面的な理解ではなく、「力学的エネルギーの保存」まで頭にいれておかないと容易には解けない出題に出くわす。『金星の満ち欠け』等について、「中3理科」の第5編、地球と宇宙、第3章、太陽系の天体、のP.160〜P.164。
14. 新中学問題集(教育開発出版)
 1年・2年・3年用の計3冊。中学内容の理科の問題集としては、ダントツ。一度、シンチューモンを使うと、他のものは、見劣りが目につきすぎて使えない。 国立・難関私立高の受験にも十分耐え得る。全幅の信頼をもって、お薦めできる。 各単元の冒頭のまとめは、必要なポイントを的確にコンパクトにまとめてあり、直前の総整理にそのまま使える。 ただ、シンショウモン、と同じく一般の書店では買えない。塾経由でないと、入手できない。 やっておくといいものは、中1用の、 1章、身のまわりの現象、1光の反射と屈折、2凸レンズのはたらき、3音の性質。 2章、身のまわりの物質、10気体の発生と性質。 4章、大地の変化、22地震。 中2用の、 2章、化学変化と原子・分子、の全体、ただし、電気分解・元素記号・化学式・化学反応式は除く。 3章、動物の生活と種類、17動物の仲間。4章、天気とその変化、も一通りやっておきたい。 とりわけ、近い過去(6年内)にこの単元の詳しい問題が出された中学を志望するなら、是非ともやっておきたい。 中3用の、 1章、運動とエネルギー、3エネルギー、4エネルギーの移り変わり。 2章、物質と化学変化の利用、5物質と化学変化の利用(ただし、P.95の3、P.97の8、P.99の3、だけでよい。) 5章、地球と宇宙の全体、中学入試問題を掲載したかの様な問題ばかり。